古民家リノベで「引き戸」と「ドア」をどう選ぶか
こんにちは!
広島県の安芸郡熊野町を中心に、古民家リフォームや新築を手掛けている宗像工務店です。
地元密着で、丁寧な手仕事を大切にしています。
さて、古い住宅のリノベーションでは、「昔の風合いをちゃんと残したい」とは思っても、「昔の生活仕様とまったく同じにしたい」という方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。
家族構成や共働きの事情、家電の変化、猛暑など、暮らし方は昔と大きく変わっています。
そのため、数十年前のまま復元すると、今の暮らしで「使いにくい」と感じる部分があります。
その一つが、扉です。
今回は、古民家リノベーションで考えたい「引き戸とドアの選び方」についてお話しします
▼目次
・暮らし方の変化に注目
・引き戸とドア、それぞれの良さ
・どんなことを基準に選ぶ?
・古い建具も手を入れれば使える
・まとめ
暮らし方の変化に注目

古い家をリノベーションするときに考えたいのが、昔と今では生活スタイルが変わっているということです。
例えば現代では、
■洗面所と脱衣所を分けるようになった
■洋室にベッドを置くスタイルが主流になった
■押し入れではなくクローゼットのほうが使い勝手が良い
■和式トイレから洋式トイレになった
■家族それぞれが個室を使うようになった
といったことがあると思います。
防犯や防音性、冷暖房を効率よくするための密閉性や空間を仕切る工夫もたくさんあります。
だからこそ、扉の形状は意外にも重要な選択になるんです。
古民家だから引き戸、洋室だからドア、というように決めるのではなく、その場所でどんな動きをするのかを考えます。
「引き戸」と「ドア」、それぞれの良さ

古民家には、襖や障子、格子戸など、引き戸がたくさん使われています。
これは、必要なときには部屋を仕切り、開け放てば隣の部屋とつなげて広く使えるという、昔の暮らし方にも合っています。
一方で、現代の暮らしでは大家族が減り、音や冷暖房の効率、プライバシーなどを重視したい場所もできてきました。
そうした場所では、しっかり閉めやすい開き戸(ドア)が向いていることもあります。
どんなことを基準に選ぶ?

引き戸とドアを選ぶときは、条件を考えてみると選びやすくなります。
1. 開け閉めするためのスペースがあるか
引き戸は、扉を横にスライドさせて開けるため、手前へ扉が出てきません。
そのため、廊下や洗面所など狭いスペースでは便利です。
家具や人の動線とぶつかりにくい点も、引き戸の良さです。
ただ、扉を引き込むための壁面が必要になるので、筋交いや柱の位置によっては引き戸にするのが難しいこともあります。
2.音や冷暖房、プライバシーをどう考えるか
寝室や子ども部屋など、音やプライバシーが気になる場所では、しっかり閉められるドアが向いていることがあります。
ただし、「ドアだから必ず気密性が高い」と単純に決まるわけではない点にも注意が必要です。
3.家具や収納との位置関係はどうか
ドアの場合は開閉スペースを取らなくてはならないので、家具の置き場が限定されます。
引き戸なら家具の配置がしやすくなるけれど、扉を引き込むスペースが必要。
間取りや家具の配置と一緒に考えることが大切です。
4.将来の使いやすさも考える
バリアフリーを考えたい場所では、引き戸が選択肢になることが多いです。
引き戸のほうが、車椅子に乗ったまま閉めやすいからです。
床の段差や手すり、通路の幅なども含めて考える必要があります。

引き戸を導入しやすい場所
◆開け閉めのためのスペースを取りにくい場所【トイレ・洗面所など】
◆防音をあまり気にしなくて良い場所【リビング・和室など】
◆開け放して、隣の部屋とひと続きに使いたい場所
◆将来バリアフリーを考えたい場所
◆出入りしやすさを優先したい場所
開き戸(ドア)を導入やすい場所
◆音やプライバシー、冷暖房効率のためしっかり閉めたい場所【寝室・子ども部屋など】
◆収納・クローゼットなど
◆家具や収納の位置によって、開き戸のほうが使いやすい場所
◆気密性や防犯性などを重視して選びたい場所【玄関・勝手口など】

もちろん、これはあくまで目安です。
今はいろいろなデザインや性能の建具がありますし、引き戸からドアに変える、逆にドアから引き戸に変える工事も可能です。
古い建具も手を入れれば使える

リノベーションで、すべてを新しくする必要はありません。
先週のブログでも書きましたが、今はもう造られていない貴重な建具もたくさんあるので、できれば大切に使いたいですよね。
ただ、古い木の建具は湿気や暑さ寒さによって動きが悪くなることがあります。
「引き戸が重い」「ドアが閉まりにくい」という場合も、敷居や建具を調整したり、蝶番を直したりすることで、また使いやすくなることがあります。
残すのであれば、メンテナンスもしっかりしていくことをおすすめします。
まとめ

暮らし方が変われば、使いやすい間取りや建具の形も変わります。
だからこそ古民家リノベーションでは、古いものを残すだけでなく、今の暮らしに合わせて必要なところを変えることが大切です。
気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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