木の「節(ふし)」に注目!
広島県の安芸郡熊野町を中心に、
地元密着で新築・リフォームを行なっている宗像工務店です!
皆さんは、家や家具に使う木の「節」に注目したことはありますか?
木が好きな大工ならではの話になってしまいますが(笑)、いつも木の目や節と向き合いながら作業をしているので、ふとブログでお話してみようと思いました。
今日はちょっとマニアックな話になりますが、木の節やグレードのことなどお伝えします!
▼目次
・節有材と無節材
・木の節は本当に邪魔?
・生き節と死に節の違い
・節ありを選ぶか?節なしを選ぶか?
・まとめ
節有材と無節材
木材には「節」があるものと、ないものがあります。
節のある材を「節有材(ふしありざい)」、節のないものを「無節材(むぶしざい)」と呼びます。
一般的に、節のない無節材の方が高値です。
◆なぜ無節材は高いか?
節のない木を造るためには、育成中の手入れが欠かせません。
山師さんがこまめに山に入ってチェックをし、小さな枝が出てきたら切り落とすなどして“枝が出来にくい状態”を維持する必要があります。
一本の無節材を生み出すには、膨大な時間と手間がかかることが想像できると思います。
また、製材のときに節のない部分を切り出したものも、無節材として扱われています。
どちらにしても流通量が少ないことには変わりありません。
◆木材の等級について
木材には、節の量や大きさによって次のような等級がつけられています:
・無節(むぶし)
・特選上小節
・上小節(じょうこぶし)
・小節(こぶし)
・特一等
・一等
・二等
上から順に節が少ないものになり、二等になると大きな節がある状態になりますが、構造材など見えない場所なら気にせず使えます。
木の節は本当に邪魔?
建材に使う木材の節は、昔から欠点や邪魔なものとされ、節が少ないほど美しく高級とされてきました。
節がある=利用価値が低く見た目が悪いという考え方ですね。
とはいえ、コテージやログハウスなどではあえて木らしい節を見せますし、テーブルなどでも節がナチュラルなアクセントとして使われることがあります。
一般住宅でも、最近は内装に「木っぽさ」を求めて節のある木を選ばれる家が増えてきました。
節が、年輪の模様などと相まって自然の味わいを表現してくれるんですよね。
木らしい目や節が「あたたかさ」や「個性」を加えてくれると言われる方も多いです。
生き節と死に節の違い
改めて言うと、木の節は「木の幹」と「枝」の接点にできた堅いコブのようなもの。
もともと枝として成長する予定だった場所です。
この節には、「生き節」と「死に節」の二種類があることを知っていますか?
<生き節>
枝が伐採されるまで生きていて、幹としっかり組織がつながっている節。強度もあり、抜け落ちにくい。
<死に節>
枝が枯れたまま年輪の中に埋まって成長したもの。幹と組織がつながっていないため加工中に抜け落ちやすく、補修が必要になることも。
たとえばテーブルの天板などに死に節があると、あらかじめ埋めたりして自然に仕上げなければなりません。職人の腕の見せ所になります。
節ありを選ぶか?節なしを選ぶか?
節がある木材とない木材、それぞれのメリットとデメリットをあげてみます。
◆節有材のメリット・デメリット
メリット:価格が抑えられる/木らしい自然な表情が楽しめる/強度がある
デメリット:加工が難しい(カンナがけなどには注意が必要)
◆無節材のメリット・デメリット
メリット:見た目が整っていて高級感がある/加工しやすい
デメリット:希少で高価/節有材に比べると木の個性は少ない
こうして挙げてみると、どちらを選ぶか決めやすそうですね。
まとめ
一言で木と言っても、木材の表情は一つひとつ違います。
また、例えばカラマツには小さな節がたくさんあり、アカマツには大きな節があるなど、樹種によっても特徴はそれぞれ。
節の有無については山師さんたちの手間が関係しているなんて普段考えないことだと思いますが、それによって価格が変わるのもおわかりいただけると思います。
ずっと木と向き合いながら仕事をしてきたので、全てが無節材になるとつまらない気がしてしまいます。
どこにどんな木を使うか。
木目や節の表情を見ながら考えるのも楽しいですよ。
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